ここまで、
①結果だけで見ない
②学習習慣
③モチベーション
④環境と集中力
というテーマで、お子さんが「自ら」動くためのお話をしてきました。
今回は一歩引いて、第一回に近い、お子さんの学力をどう見ていくかのお話です。
キーワードは「見えにくい学力」
小学校のカラーテストは、「授業の内容をしっかり聞けていたか、覚えられているか」を確かめるテストです。
80点、90点、100点を取れるのは、お子さんが頑張った確かな証拠です。
ただ、点数がそのまま「いつでも答えられる力」とは限らないのが、むずかしいところです。
いま、小学3年生で起きていることを例に挙げます。
2学期の秋に差し掛かった時期は、「2桁×1桁」「3桁×1桁」のかけ算を学習します。
ところが、九九が定着していないお子さんが、年々増えてきていると感じています。
九九があいまいでも、「やり方」を覚えて何とか答えを出せているうちは、テストの点数はほどほどになり、それだけでは分かりません。
九九に限りません。×10の意味はわかっていても、÷10の意味があいまいなお子さんは意外と多いのです。
それでも、次の単元で計算練習に戻ると、点数は普通に取れてしまいます。つまり、意味がわからないままでも、成績は下がらない。だから、誰も気づきません。
算数は、理解→暗記→理解のエリアを広げる→使いこなせるようにする、という段階をふむと、お子さんの世界が広がると感じています。
九九は覚えるもの、÷10は意味を考えるもの。どちらもバランスをとることが大切。そうでないと、この流れが途中で止まってしまいます。
ほころびは、中学で顔を出します
中学の文字式では、「千の位がx、百の位がy、十の位がz、一の位がwの4桁の整数」を「1000x+100y+10z+w」と表します。
これは小学校の「位取り」の考え方そのものです。ここがつながっていないと、急に壁に感じます。
中学は、小学校の知識が全部そろっている前提で進みます。なので、小学校での学びに穴が空いていると、ほころびが一気に表に出てしまうのです。
そして、それが高校に進むと、それまでの学習習慣と学習法のあり方が、一気に吹き出します。定期試験前だけがんばれば、何とかなっていた中学時代とは、比にならないほど学ぶ内容の幅広さと奥深さが出てくるからです。
「学力の健康診断」は、実はありません
自治体などで行われる学力テストでわかるのは、実は大まかな位置まで。
どの単元が、どの単元につながっているのか。
どこが定着しきれていないのか。その根元まで、健康診断のように細かく「見える化」されてはいないのが現状です。
さらに、もっと見えにくいものがあります。
・机に座って集中し続けられる「学習体力」。
・考えをつめていく「根気」。
この土台が、まだ育ちきれていないお子さんもいます。このお話は、次回以降にあらためて触れたいと思います。
おうちでできる、見える化
お子さんに、こう聞いてみてください。
「九九を、ランダムに聞かれて、すぐ答えられる?(たとえば「7×8は?」)」
「1000÷10はなぜ100になるの? ことばで説明してみて」
九九は、聞かれて3秒ほどで、迷わず答えが出てくれば安心です。
÷10は、答えだけでなく、ことばで説明できるかどうかを見てあげてください。
叱るチャンスではなく、一緒に直すチャンスです。
考え方が少し違っているように見えても、お子さんなりに、自分の覚え方で定着させようとしているのかもしれません。
さりげなく、「1000円を10人で分けたら、ひとり100円だね」と伝えてみてください。
ほころびは「これまでの結果」。それは、これからいくらでも変えられます。
見えにくさを、さらに強めてしまうもの
「どの計算を覚えたらいいですか?」「どの公式を覚えたらいいですか?」というご質問をよくいただきます。
算数に暗記は欠かせません。
ただ、「何を覚えるか」に目が行くようになると、意味があいまいなまま進んでしまいがちになります。危険領域なんです。ほころびはますます見えにくくなります。
私自身も、テクニックや暗記に寄せた指導内容にならなかったか、日々振り返っています。
塾は、必要なの?
もちろん塾でなくとも、家庭教師でも、オンラインでも、手段は何でもかまわないと思います。多くの事例やパターンを把握しているプロなので、話を聞いてみる価値はあるかと思います。私自身もそうですが、それぞれに偏りはあるので、そこは相性かと思います。
大切なのは、小学校のうちにほころびを見つけて直すことです。
1つ大きな注意点として「できない」を指摘される経験が重なると、学習体力も根気も、育ちにくくなることがあり、育て直すには相応の時間がかかります。
だからこそ、つばめ学習塾は、お子さんが持っているものを大切にしながら、活かしながら、一緒に育っていきたいと思っています。
「ほころびがありそう」「ちょっと気になる」というタイミングが来たときに、ぜひ声をかけてください。
学力は、見えにくいものです。でも、もしほころびが見えれば、直せます。













